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夢を叶える男の子の育て方(うまのブログ)#78

こんな時どうするか

 

 

『君には何か困った時に相談できる人がいるだろうか。大人でも友達でもかまわない。君が本当に困った時に、相談できる人を持ちことはとても重要だ。しかしこれがなかなかいない。いたとしても何か相談しにくくて自分だけで悩んでいる人が多いようだ。できたら君のブレーン(頭脳)になる人を普段から見つけておくことを勧める』

 

友達がほしい時は、クラブ活動に積極的に参加すれば、同じ趣味や似た好みの友達を見つけることができる。学校の成績が上がらない場合は、予習をして授業をよく聞くようにする。生活がダラダラしてきたら、朝、早起きをするとよい。将来の不安に襲われた時は、自分の夢や目標を持って、何度も何度も繰り返し唱え続けることだ。

身に迫る危険を感じた場合には、必ず人に相談すること。人とケンカをした時は、意地を張らずにこちらからあやまればよい。耐えられないいじめにあった時は先生や大人に相談すること。それでもうまくいかない時は、転校などで環境を変えるか不登校することだ。

すべてがうまくいって順調な時こそ悪い種ができるもの。身を引き締めて謙虚になろう。すべてがうまくいかない時は、必ずうまくいく時がやって来るから、あわてたり悲観したりせず、じっくり時のたつのを待てばよい。

フラれた(失恋した)時は、その時の相手以上の人は、この世にいくらでもいるから気分を切り替えて次を目指そう。きっともっと素敵な人が君を待っている。

特定の人に好かれたい時は、その人の言動を否定せず肯定し続けること。苦手なことをうまくやるのは、予行演習を繰り返すとよい。

忙しさを乗り切るには、忙しいと口に出さないこと。口に出すとますます忙しくなる。忙しさというものは一種の強迫観念なのだ。本当に力のある人はどんなに忙しくても、忙しいとは言わないものだ。

失敗やトラブルが起きた時は、人のせいにせず自分の責任と思って処理すれば良い経験になる。大事な場面で力を出したい時は、場面を想定して繰り返し練習すること。飽きるほどやれば必ずうまくいく。

夢を叶える男の子の育て方(うまのブログ)#77

『菜根譚(洪自誠)』中国明代の処世術

 

『ゆっくりじっくり生きることもいいものだ』

 

①刺激が何もなくただゆっくりと時間だけが過ぎていくような平和な1日もまた素晴らしいことを知ろう。

②いつもニコニコと楽しく笑うような生活を送ろう。

③腹を立てずに周りを認め、許す心構えを持つようにしよう。

④あくせくと仕事に追われたり、金儲けに夢中になるような生活は豊かな生活とは言えない。一人で静かに過ごす時間も持とう。

⑤人を助けることのできる人間になろう。

⑥自分勝手な生き方より、人と仲良くする生き方を選べば、生きることが楽しく楽になるものだ。

⑦人にかけた恩は忘れるように、人の恩は忘れないようにしよう。

⑧挨拶も聞こえなければ独り言だ。大きいな声で明るく元気の良い挨拶をしよう。

⑨どんな時でも、心にゆとりがある余裕を持った生き方をするには、自然に無理のないライフスタイルが大事だ。

➉諦めや投げやりな態度をやめて粘り強く生きるようにしよう。

⑪頭を柔らかくして合理的な考え方ができるようになろう。

⑫加減よく、物事をほどほどにすることが大事だ。

⑬何でも独力でやろうとせずに、人の力を借りよう。ただし、人の力ばかりをあてにしてはいけない。

⑭常に前向きな、積極的な考えで自分の心を支配しよう。

⑮礼儀正しい人になろう。礼儀こそ最も人間らしい行為だ。

⑯我慢しなければならない仕事もあるだろうが、できる限り自分の好きなことを仕事にすると幸せな人生が送れる。

⑰自分の生活や仕事がうまくいっているように見える時、周りは嫉妬の目で見ていることを忘れるな。

⑱どんなにうまく行かない時でも、時間がたてば必ずうまくいく時が来るから、決して悲観するな。待てば海路の日和あり。

⑲お金や物欲のためだけに君の人生を捧げてはならない。

⑳我慢することは次に打つ一手のために大事である。

㉑多くの財産や幸せを手に入れると、次にはそれらを守るために不安や心配が生まれるものだ。

㉒人に譲る気持ちや分け与える気持ちこそが、幸せな人生を送るためにとても大事なことである。

㉓優越感も劣等感も楽しい人生を送る上で不要である。

㉔感情的になってカッと腹が立ちそうになったら深呼吸をせよ。腹を立ててすることで良い結果を生むものはまずない。

㉕たくさんの知識や知恵より、たった一つの心にしみる言葉を持つことが大事だ。

㉖怒りは状況を悪くするだけで何も解決しない。

㉗人生の中で選択肢の多い人間になろう。器の大きい人物や柔軟な人物ほど選択肢が多いものだ。

㉘傲慢こそが人生における最も重大なミスのもとになる。

㉙失敗をすることが本当の大成功をもたらすことが多い。

㉚夢を持つことによって、人生というものは生き生きと楽しいものになってくる。

㉛人に要求せず、逆に人に与え続けると人から尊敬される。

㉜どんな環境にあっても夢はかなう。夢がかなわないことを環境のせいにする人は、夢がかなわない運命にある。

夢を叶える男の子の育て方(うまのブログ)#76

目標達成のための短期間成功法

 

『目標を達成するために、短期間頑張るようなことは人生のなかで多々ある。受験や仕事、スポーツや芸術的なことでもよくあることだ。これらを上手に成功させる方法はかつてナポレオンヒルがその著書「富を築く13の条件」で述べている。それは自己暗示を上手に使う方法なのだ。そして次にあげる2点を知っておくことが重要である』

 

まず自分が成功することをイメージし、それが当たり前である、当然であるという精神状況を作り出すこと。

次に成功する人としない人の間には大きな能力の差があるのではなく、成功するための習慣が身に付いていたかどうかで決まることに気付いている。

現実的なところ、成功した人たちの多くは楽しくやっていて自然に成功したという人がほとんどで、血のにじむ努力と苦労をしてやっと成功したという人はごくわずかだ。もちろん第二次世界大戦後の日本のような状況下ではこの努力型が多くいたのだろうが、そんな時代でも楽しく夢を見ながらやってきた人の方がはるかに多かったに違いない。

そこでどうすればそうなるかを見てみよう。この点については述べてきたが、重要なことなのでもう一度分かりやすく書いてみよう。

自分の目標や夢を紙に書いて目に付くところに掲げ、毎日できたら声を出して読んでみよう。これが恥ずかしいようなら、ポケットに夢を書いたカードを入れておいてトイレの中で必ず見る習慣をつけよう。いずれにしても毎日欠かさず自分の夢や目標に目を通すことが大事だ。

この習慣は一日も欠かしてはいけない。旅行などで通常の生活ができない時でもしなければならない。これを最低半年続けてみよう。一生続けている人もいるのだからむずかしいことではない。

夢や目標を唱えることが習慣になったらほぼ目標を達成したも同然。君の夢や目標はやがて必ず実現する。

夢を叶える男の子の育て方(うまのブログ)#75

人との接し方

 

『人との接点は日常のあらゆる場面で重要なものとして存在している。そのなかで人と上手に付き合える人もいれば、それが苦手な人もいるから悩みも多い。自分の意思を相手にうまく伝えることができる人もいれば、下手な人もいる。そしてその接し方に人柄が現れるからなおさら気を遣うことになる。不器用な人は気を使うことに疲れ果ててしまい、自分の気持ちの半分も相手に伝えられないで終わってしまうことが多い。また人柄や行いの正しい人もいれば、そうでない人もいる。昔から「朱に交われば赤くなる」と言われるように、悪い人と付き合えば知らず知らずに悪い行いが普通になり当たり前になってしまうし、立派な人と付き合えばいつの間にか自分もそうなっていくものである。だから人付き合いはむずかしいけれど重要なのだ』

 

 

●人との接し方の基本

幅広く付き合うことにより、良い人を選んで大切にして付き合うこと。

気の合う人を選んで楽しく付き合うこと。

損得が絡むような(お金の貸し借りなど)付き合いは避けること。

相手の気持ちをよく汲んで接するようにすること。

相手の気持ちや考えを尊重すること。

 

●人間関係は誤解の上に成り立っている

人は誰も自分の都合の良い方向に物事を考えるものだ。人間関係でもまさにそうであり、お互いの都合の良さが合致すると相性が良いということになる。

人間関係では、悪い方向に誤解をするのではなく、いい方向に誤解をすることが、平和でうまく良い関係を継続させるコツでもある。

子供の頃の人間関係には利害がからまないため、子供の頃の友人とは大人になってからも良い関係を持続させやすい。これに対して社会人になってからの人間関係は、利害が生じやすくむずかしい。

 

●人付き合い・友達作りの大事なポイント

良い環境(愛情の豊かな環境)で育った人を大切にする。悪い環境のなかでも立派な人はいるがまれである。自分と似た環境で育った人とは比較的歩調を合わせるのが容易であるし、共通点が多く打ち解けやすく、良い友だちになることが多い。

明るく誠意のある人が良い。健康的で明るい人と付き合うことが大切だ。相手の環境や状況をよく理解して、思いやりのある付き合い方が大事。これに対してすべてをさらけ出して甘えるような関係になってはいけない。

夢を叶える男の子の育て方(うまのブログ)#74

勇気

 

健介は中学二年生の一学期に野球部に入った。一年生の時、クラブ活動は美術部だけであったが、そろそろ好きな野球をしたいと思っていた。週の内5日が練習日だった。練習はいつも暗くなるまでなので夏は7時、冬は5時には終了していた。

ある夏休みの午後野球部の練習中のこと、センターを守っていた健介にコーチの強烈なノックのボールが飛んできた。いつものように落下点を目指して全速力で最短距離を走る健介のはるか頭上をボールは超えていった。健介はボールを拾いに園芸部のやっている花壇まで行くと、そこに一人の女の子が花の手入れをしていた。年の頃は健介と同じくらいだろうが、どことなく落ち着いた振る舞いが大人びた女性らしさを感じさせると健介は思った。白いシャツに紺色のスカートの女の子はこちらを振り向いた。

「すみません。ボールを取らせてください」

「あ、このボールですね。野球部のボールはよく飛んでくるのよ」

そう言ってその女の子はボールを拾って健介に渡した。その時のどことなく優しい仕草が健介の心に残った。あとで園芸部の友達に聞くと、女の子の名前は美佐と言い、健介より一年上だった。

翌日から練習のたびに健介は園芸部の花壇が気になって仕方がなくなった。守備練習もなるべく花壇の側のセンターを志願した。しかしなかなか美佐には会えなかった。ところがある日、いつものように守備練習に着くと美佐がいる。健介の心臓はドキドキと激しい動悸に襲われた。同時に身体が硬直していつもなら簡単に捕れるフライもポトリと落とすし、良いところが全くなかった。

良いところを見せようとする意識が健介を緊張させたに違いない。

次の週から健介は作戦を立てることにした。それは美佐がいる時にはわざとエラーをして彼女のいる花壇までわざわざボールを拾いに行くことにしたのだ。この作戦は見事大成功、ボールを拾うたびに健介は美佐と言葉を交わすようになった。「またエラーしちゃった」と言うと美佐は必ず「練習不足よ」と言った。

しかしとうとうばれたのか「わざとエラーしてるんじゃないの?」と言うようにさえなった。いずれにしても健介と美佐の距離はだんだん近くなってきたことは間違いなかった。

健介は美佐に自分の野球の試合を見にきてほしかった。なぜなら、初めの頃、美佐の前で下手くそな自分の姿を見せてしまったからだ。どうしても自分が上手なことを知ってほしかった。だから他校との公式戦を是非見てもらいたいという気持ちが強かった。でもいざ美佐を目の前にするときまり悪さと、断られた時の気まずさやショックが思い浮かんで、とても言い出せないでいた。

そんなことを迷っているうちにある日の放課後、美佐を誘う絶好のチャンスがやってきた。美佐が一人で花壇の世話をしていた。この日は練習もない日だったので健介は思い切って切り出した。

「今度の月曜から大会の予選が始まるんだけど、できたら応援にきてくれないかなあ。今年の野球は強いからね、楽しいと思うんだ」

健介は全身の勇気を振り絞って誘ってみた。

「ええ、私もそのつもりだったの。健介君に会ったら、応援に行かせてとお願いしようかなと思っていたのよ」

とてもうれしかった。

健介は生まれて初めて勇気って大事なんだなあと思った。そして当たってみればなんとかなるものだとも思った。

「ダメでもともと」の精神こそ男子には大切だと思った。

夢を叶える男の子の育て方(うまのブログ)#73

男の子はほめて育てる

 

●男の子の育て方

男の子は、ほめて育てることが優先。ほめ過ぎると調子に乗ってしまうので心配だというお母さんも多いようだが、調子に乗せておいてもかまわない。女の子と違って男の子は、調子に乗っている方がすべてうまく回転する。

これに対して、女の子は注意を具体的にしてあげた方が伸びていく。でもやはり、ほめられてうれしいことは、女の子も男の子と同じだ。

次に、人に迷惑をかけることや身に危険が迫るようなことは厳しく注意をし、目上の人に対する礼儀作法などもけじめとしてきちんと教えておくことが大事。

最後に男の子は放任にしないこと。母親の手のかかっている子ほど、優しく親孝行な子に育つ。ただし、可愛がることはいくらしても良いけれど、子どもより先回りをして、なんでもやってあげてしまうと無気力な子になるので注意が必要だ。

 

●勉強のさせ方

ほめて勉強を好きにさせることが何より簡単な方法だ。勉強嫌いを作ってはいけない。「好きこそもの上手なれ」で、学校でも先生を好きなだけで、その科目が得意になったりする。

もう一つ技術的な方法は、予習を中心にして先取り学習をさせておくことにより、その科目の得意意識を持たせることが大事。詰め込みになり過ぎて、勉強嫌いを作ってしまうのが、最も避けなくてはならないこと。勉強は一生続くのだから、いずれにしても、図鑑を与えたり、本を読み聞かせたり、パズル算数をしたりして楽しく勉強をする工夫が必要だ。また競争やご褒美もなかなか効果的。

夢を叶える男の子の育て方(うまのブログ)#72

賢い女の子とおバカな男の子

 

ある進学塾での話。毎年2月になると都内の私立中学では一斉に入試が始まる。私は長い間算数の教師をしていたので、入試前後の子どもたちの心理や行動をよく目にしてきたものだ。本番ぼ入試で女の子はだいたい力通りに結果を出すが、男の子にはいわゆる番狂わせが多いものだ。なぜだろうか。教師としてこれをなんとか解決して、努力や実力通りの毛っこが出るようにしてあげたいと思ったものだ。

「先生、僕は合格できるよねえ、だって自信あるし模試でも合格圏内だったから」

「ああ、大丈夫。落ち着いて問題をよく読むんだよ」

「うん、最近は大事なところに線を引きながら読むようにしているから」

「そうだ、落ち着いてね」

この会話をした子は落ちてしまった。原因は問題の読み間違いだった。

「先生、私ダメだよね。最近入試のことを考えるとドキドキしちゃって、夜も眠れないの」

「君は図太いからだいじょうぶ。落ちないよ」

「やだー、心配してる私の心がわかってもらえない、悲しい」

「まあ、ミスしないように、丁寧に問題を読んでね」

「はーい」

この女の子は楽々合格した。二人の模試での成績はほぼ同じ。この差はいったい何なのか。

男の子の持ち味はおバカなのに、この場合普段と違う持ち味を出そうとしたことが、失敗の大きな原因なのだ。女の子は普段から賢いのがリズム。男の子は普段からおバカなところがリズム。入試だからといってリズムを変えてはいけないのだ。

「よーし、合格したら回転寿司の食い放題に連れて行くぞ」

「わーい、やったー」

というノリの方が、男の子は合格するものなのだ。

後日談。合格した男の子が一人で報告と挨拶にやってきた。

「先生あり。合格したよ。これお礼です」

そう言うと、その子はビニール袋から大事そうにミニシュークリームのパックを取り出して、こちらに差し出した。

「ありがとう、そしておめでとう。先生もチョー嬉しかったよ」と言うと、男の子はピョコンとおじぎして帰って行った。ふと見るとシュークリームのパックに280円の値段シールが残っていた。

「本当におめでとう!」

夢を叶える男の子の育て方(うまのブログ)#71

相談の大切さ

 

『何か困った時、窮地に陥った時、大事な決断をせざるを得ない時などは、必ず人に相談することを勧める。自分一人で悩み、自分一人で解決しようとしてはいけない。

なぜならば、そんな時に出した君の結論なんて、どうせろくでもないものだ。前にも言ったが、プラス思考で順調で体力も充実している時でないと、いい決断はできないものだ。君が悩んだり、困ったり、苦しんだりしているときにはなかなか正しい判断はできないものなのだ。

だから「相談」することによって、新しい道が生まれ新しい方向性が現れるのだ。』

 

相談は恥ずかしがらずにきちんとすることが大事。

相談相手はできるだけ多い方が良い。

相談される方は案外うれしいものなのだから、遠慮せずに目上の人にも積極的に相談せよ。

込み入った話は、専門家や年上の経験者に相談すると解決が早い。

人に言いにくい問題ほど相談すべきである。

一人で悩んでいることが馬鹿らしくなるほどの良い解決策が、相談することによって見つかるものだ。

とにかく一人で解決してはならない。

夢を叶える男の子の育て方(うまのブログ)#70

気持ちや考えを人に伝える

 

挨拶を頼まれたり、大勢の前で講演を依頼されたりした時、あがってしまったり緊張したりで、考えたことや言いたいことの半分も言えなかった、と言うような経験は誰にでもあるだろう。なぜこうなるのだろうか?場慣れしていないことが第一の理由だろう。

第二の理由は上手に話そう、うまく話そうと思うあまりに肝心なことを忘れ、格好にこだわるためかもしれない。講演や演説などで案外心に残る名演説は、決して流暢な、立板に水を流すような調子の良い話しぶりのものではない。朴訥であるが、心のこもった話しぶりが良いのである。何が大事かというと、聞き手に伝えたいことを明確にして、それを誠実に簡潔に表現することが必要である。

私の経験から次のアドバイスを贈ろう。

 

大事なことだけに絞って、話を組み立てる。

装飾のない話にする。

どんな短い話しでも、準備をする。

感動させよう、笑わせようとせずに普段のままで。

肩の力を抜いて、自然に親切に話す。

自分の人柄をそのまま出すように。

夢を叶える男の子の育て方(うまのブログ)#69

愛されるリーダーより強いリーダーを目指せ

 

リーダーになったばかりの初心者はみな、指示系統がスムースに行くためには、部下に好かれることが肝心だという、間違った考えを持ってしまう。そのため、部下の人気を気にするリーダーが、案外多いものである。好かれることで指示系統が守られスムースにいくならば、こんな簡単なことはない。

可愛い美人でもリーダーにすれば、男子の集団はうまくまとまるだろうか。ハンサムでイケメンを管理職にすれば、会社は発展するだろうか。そんなに簡単ではない。

では、リーダーとはいったい何であるか。

リーダーとはある集団をまとめて川を渡る時に、一人に犠牲所も出さず、向岸に全員を連れて行く役目と責任を持った人のことである。そのために何より大切なことは、規律を作り、部下に守らせるための厳しさと実行力を持った人でなければならない。だから、優しさだけではどうにもならないのだ。厳しさと、部下に恐れられる怖さが必要だ。それがないと統率できなくなってしまうからだ。

かつて、イタリアの弱小国フィレンツェの外交官だった、ニッコロ・マキアベリの有名な言葉がある。

「リーダーは愛されるより恐れられる方が良い。愛されるリーダーの国は滅びるのが早い」

これはいったいどういう意味なのだろうか。感情と優しさで統治されている組織は、規律と厳しさで統治させている組織に比べて危うく、脆いということなのだ。

だからこそリーダーは恐れられていなければならないのだ。